


「田辺農園」は1991年、世界有数のバナナ輸出国・南米エクアドル標高約300mの高地に、
農園主 田邊正裕さんによって拓かれたバナナ農園です。
自然の地形をそのまま活かし、可能な限り自然に近い環境を保ちながらバナナを育てる。
そこはまるでバナナ畑というより、赤道直下の“バナナの森”。
「バナナの楽園」とも言える景色が広がっています。
今では森も大きく育ち、広さ約520ha、東京ドーム約110個分にも及びます。
広大な農園には、近隣からエクアドルの仲間たち約500人が集まり、
毎日笑顔で元気なバナナを育てています。
人が丹念に手を加えることにより、理想的な自然環境が保たれる。
日本の“里山”発想で、“田辺式”とも呼べる独自の自然循環農法を実践する田辺農園。
ようこそ、「田辺農園」バナナの森へ。
日本から約15,000km、遠く離れたエクアドルの地から、
今日も丹念に育て上げたおいしいバナナを、日本の食卓へお届けします。


田辺農園のこだわりは、“土”と“水”にあります。
田辺農園バナナは、まず“土”から育てます。
化学肥料に頼ることなく、除草剤も一切使用しません。
自園で堆肥をつくり、有機質肥料をたっぷり含ませた土壌づくりから始めます。
堆肥の主原料は、規格外のバナナです。
通常では廃棄されるべきバナナも無駄にせず、独自の手法で発酵させ、
有機質肥料として土に還元しています。
つまり、バナナの栄養でバナナを育てる。
これが、バナナを循環させる田辺式「バナナ循環農法」なのです。
バナナの循環によって、その味わいは純化され、
気品あふれる甘味をもつバナナが育つのです。
バナナの生育に欠かせない、もう一つ大切な要素が“水”。
バナナのために使う水は“人が飲める”ほどきれいな水であること。
田辺農園ではそのために井戸を掘り、地下水を汲み上げ、安定的に水を確保するために、
自然の水流を活かしダムまで造営しています。
滋養に富んだ土壌、そしてきれいな水、あとは赤道直下エクアドルの太陽におまかせ。
自然のエネルギーをたっぷりその実に溜め込んだ、おいしいバナナが育ちます。



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通常なら廃棄されるべき規格外のバナナを自家製堆肥の原料として有効活用しています。森の恵みはきちんと森に還す。自然の循環を何よりも大切に考えています。
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田辺農園には堆肥場が4カ所あります。独自の手法で発酵させてつくる有機質肥料は全部で4種類。バナナの生育状況に応じて適切に使い分けます。
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自家製の有機質肥料の中には液体の肥料、いわゆる液肥も存在します。自然に近い状態を守り続けるために堆肥づくり自体の研究も日夜続けています。
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バナナの栄養はバナナから。土壌からしっかりつくり上げるのが、田辺農園のバナナ栽培の哲学です。
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化学肥料や除草剤を使用しない田辺農園が一般的なバナナ畑と大きく異なる点は、下草が茂っていること。バナナも森の植物の一部として共生しています。
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栄養豊富な土壌で育つ田辺農園のバナナの葉は青々として、とても大きく元気です。太陽の光を光合成でエネルギーに変えて育ちます。
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雨期と乾期があるエクアドル。乾期の際にも安定して水を供給できるように、田辺農園では自然の水脈・水流を活かして灌漑用のダムを造営しています。
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田辺農園のバナナの森には、自然の地形をそのまま活かした水路が縦横無尽に走っていて、清らかな水が流れています。
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地中深くから汲み上げた井戸水は、活性炭でろ過し、さらにオゾン殺菌を施され、バナナの洗浄に使用されます。“人が飲める”ほどきれいな水です。
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田辺農園には自然を守るために60haもの竹林が存在します。この竹林から切り出される竹が、バナナを支える支柱として利用されます。
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木のように見えて実はバナナは世界一大きい草の仲間。30~45kgくらいまで育つバナナの重さを支えるために竹の支柱は欠かせないものなのです。
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バナナの木を支えるために、通常のバナナ畑では、プラスチック製の紐を使用するのが一般的。“森から不要な人工物は少しでも排除したい”。竹林を育て、竹を切り出す理由がここにあります。
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[一般的なバナナ農園との比較]
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効率的に大量のバナナを生産するために化学肥料が使用されています。(白い粒が化学肥料)
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きれいに整地され、除草剤が撒かれた土地にはバナナだけが整然と並び、下草はほとんど生えていません。
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バナナの過重を支えるために、強度のプラスチック製の紐が張り巡らされ、収穫後も畑の中に残されています。
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バナナが健康にすくすく育つ土壌には、有用な微生物の存在は欠かせません。田辺農園には、微生物を培養するための専用ラボラトリーがあります。
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水にこだわる田辺農園では、バナナに使用する水には常に“人が飲める”ほどの品質を求めます。(写真は最新のオゾン殺菌設備)
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乾期でも必要なときにはいつでもきれいな水がふんだんに使えるよう、地下水を汲み上げタンクに貯蔵。最新の貯水システムも導入しています。
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田辺農園では、誰もが「安全・安心」「おいしい」と感じていただけるバナナ栽培と同時に、自然環境の保全にも十分配慮し、
美しい“バナナの森”を守りながら、持続可能な農業を続けていくことを目指しています。私たちの日々の取り組みは、厳しい世界基準でも認められ、
「グローバルギャップ」「レインフォレスト・アライアンス」2つの国際認証を取得しています。-
GLOBAL G.A.P
国際的に主流となっている認証プログラム。
その目的は、安全な食品の生産・取引・希少資源の保護、持続可能な未来の構築のために、農業生産者と販売者を結びつけること。農業生産現場において、
「①食べる人への安全(食品安全)」
「②働く人への安全(労働安全)」
「③自然環境の保全(環境保全)」
を同時に達成しながら、
持続可能な農業の実践を求める国際認証です。 -
RAINFOREST ALLIANCE
レインフォレスト・アライアンスは、企業と農業と森林が交わる場所に立ち、
責任ある事業慣行を新しい標準にするために活動している国際的な非営利団体で、
中米の熱帯雨林での森林保護活動を皮切りに、現在では世界60カ国以上でサステナブルな農業の研修と認証を提供しています。農地拡大は、森林伐採の理由の70%を占めており、熱帯雨林の最大の脅威。
農園が土壌浸食や水質汚染、野生生物の生息地破壊の原因となっています。
田辺農園ではお客さまと共に、環境保全への取組や持続可能な社会への貢献を目指し、
レインフォレスト・アライアンス認証を取得しています。
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田辺農園のロゴマークには、
持続可能なバナナ農園の経営とともに、
人と自然が共生する持続可能な社会実現への
願いも込められています。


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バナナの茶色い花がめくれ、青い実が見え始めると、もうすぐバナナの実がつきます。このタイミングで丁寧に袋がけします。
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空気穴があいた薄いビニール袋は、鳥や虫たちから大切なバナナを守るため。袋の中で安心してバナナは育ちます。
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下草もただ伸び放題にしてしまうと、雑草に土壌の栄養分を奪われてしまいます。頃合いを見ては手作業で下草刈りも行います。
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バナナが程よく実ったところで収穫。2人1組となって、すべて手作業でバナナの軸の元から刈り取ります。
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大きいものでは45kg近くまで育つバナナ。バナナを傷つけないよう専用マットで担いでケーブルの拠点まで。かなりの力仕事です。
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収穫したバナナは園内に張り巡らされたケーブルに引っかけ、人力でパッキングハウスまで運びます。
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ケーブルに引っかけられ、園内に4箇所ある最寄りのパッキングハウスまで運ばれるバナナ。ケーブルは森の中にある数少ない人工物。
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パッキングハウスに到着後、まず品質管理の専門スタッフがバナナの状態や熟成度を厳しくチェック。
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品質チェックが終わったバナナは、活性炭ろ過され、オゾン殺菌された“人が飲める”ほどきれいな水で一次洗浄。
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一房ずつ小分けにされたら、勢いのあるシャワーで二次洗浄。冷たいバナナのプールの中でさらにきれいに。
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最後はバナナの品質をしっかり見極めつつ、人の手で一本一本丁寧に洗浄。日本人農園ならではの徹底した衛生管理。
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傷みやすい軸部分からの腐敗を防ぐために一房ずつフィルムシートがかけられます。
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きれいにフィルムシートがかけられ、田辺農園のシールが貼られたら間もなく出荷。繊細な品質管理も日本人農園ならでは。
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田辺農園バナナは収穫量のすべてを日本へ。4箇所のパッキングハウスから、大型のリーファーコンテナでほぼ毎日出荷されます。
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バナナの栄養で育った田辺農園のバナナは、バナナ本来の、気品あふれる甘味が特徴です。このおいしさを、ぜひご賞味ください。

